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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

ピアノ録り その1

GW ももう終わろうとしているのにスロー更新で申し訳ありませんが、最近やったピアノのレコーディングを2つレポートします。

まずはピアニスト 小西優子さんのレコーディング、クリスチャンの小西さんは僕のゴスペル人脈との共通の知り合いも多いようです。 いろいろと打ち合わせた結果、賛美アルバムやチャリティー・アルバムなど3種類のCDを作ることになりました。

数年来のお付き合いである調律師 名取孝浩さんに調律をお願いし、レコーディングは桶川市民ホール「響の森」で2日間、2月末に行いました。
ピアノのレコーディングは今まで何度もやってますが、やはり最も収録の難しい楽器の一つだと思います。 そして今回は今までの経験を元にまったく新しい録音方法を考え、実践してみました。
ピアノのオン・マイクには計5本のマイクを使っています。 両端にコンデンサー・マイク Lauten Audio Clarion、真ん中にはリボン・マイク Crowley & Tripp Recordist、その中間に Lauten Audio の真空管マイク Oceanous と Horizon を配置してみました。 そしてステージの一番客席側に真空管マイク RODE K2 をペアでアンビエンス・マイクとして置き、さらにホールの吊りマイクも使っています。 下の写真は調律中の名取さん、その左下はピアノのオン・マイク、右下はピアノから見たアンビエンス・マイクと吊りマイクの様子です。 マイキングの写真はクリックすると拡大します。

4月

モンマルトル、愛の夜。

Maag Audio EQ4

3月

Altiverb 7

The Greatest Love of All

2月

山中湖にて

名盤再び

謹賀新年

プレイバック 2011 - 3

プレイバック 2011 - 2

プレイバック 2011 - 1

3☆ Colors

12月

Voice Of God

マイキングを客席側から見るとこんな感じです。

曲によっては真空管マイクを Telefunken AR-51 と AR-47 に替えたりもしています。

レコーディング初日はピアノ・ソロのみでしたが、2日目はチェロとウッド・ベースを加えてトリオやデュオ作品も録りました。 ステージの全体像と各楽器へのマイキングは下の写真のような感じです。

写真をご覧になればわかるように、オン・マイクを真空管マイクとリボン・マイクの二本立てとしているところがポイントです。 真空管マイクは芯の強い若干ザラッとした音になり、リボン・マイクは高域がなだらかに落ちたこもり気味の音になります。 そもそもオン・マイクの出し具合自体全体の3割くらいになるわけですが (アンビエンス・マイク中心)、その少ししか出さないオン・マイクの音をしっかりととらえ、なおかつもしキツさを感じた場合にリボン・マイクの音を足して柔らかくする、そんなイメージです。 リボン・マイクも最近はいろいろな種類がありますが、この Recordist は感度が低いので、真空管マイクよりも少し前に置きます。

響の森は客席数 700の中ホール、扉写真にあるように客席やや後方に機材スペースを作り、いつものように api 3124+ で Mackie SDR 24/96 に録っています (24bit, 96kHz)。
ホールは前評判通りとても良い響きでした。 そしてもちろん名取さんの調律も素晴らしく、マイキング・プランも大成功、誰よりも早く演奏を聴くことができ至福の時間でした。