★ welcome to this page daisy <kuzumaki.net

このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

ルネッサンス

僕がマスタリングをしているエアー・メイル・レコーディングスさん5月のリリース第2弾は、かれこれ長い間続いている British Legend Collection Vol.55、今回はなんと大物、ルネッサンスの第2期の絶頂期の作品を中心とした5タイトルです。

エアー・メイル・レコーディングス

洋楽の名盤を、紙ジャケットによるこだわりの再現でリイシュー

http://www.airmailrecordings.com/

まずは扉写真、74年にリリースされた3rd.「Turn of the Card」、後にライヴの定番曲となる「孤独の旅路」「君を想う」「母なるロシア」などの名曲を多く収録、後にグループは北米マーケットを含む全世界でブレイクをします。
続いて75年リリースの4th.「Schelerazade and Other Stories」(写真左下)、ファンの間ではルネッサンスの最高傑作とも呼ばれていますが、緩急を巧みに使った曲展開は見事、A 面全てを使ったタイトル組曲など素晴らしい内容です。
そして75年6月にニューヨークのカーネギー・ホールで行われたコンサートを収録した2枚組アルバムが写真右下の「Live at Carnegie Hall」、なんとフル・オーケストラをバックに配し、荘厳なアレンジと観客の熱気に圧倒されます。

2冊目の本が出ます♪

プリーザーズ

puff up 第2弾

雨上がりの夜空に …

教本2点

5月

英国気質の本質

めがねロッカーの逆襲 !!

Stand Alone

主催レコーディング

新年度

puff up レーベル

La Galaxia

深遠なる英国アンダーグラウンドの世界

PSP Mix Pack

とここまでの3タイトルがいわゆる絶頂期、マスタリング作業で久々にこれらの名盤を聴きましたが、本当に素晴らしい内容です。 この時代の作品は当たり前ですが全て生演奏、そしてアレンジなどで感じる、少しでも自分たちだけの個性を創ろうとする意気込みには圧倒されます。
オーケストラとのライヴは、この時代のプログレッシブ・ロックのバンドでは EL&P など他にもいくつかありますが、よく企画して、よく実際にやったなぁ、とつくづく思います。 今だったら、指揮者はクリックを聴く、とか何かあった時のためにバックアップ用の音源にあらかじめ演奏を録っておく、とかいろいろな手段を用意して臨むと思いますが、おそらくこの時代は本当に一発勝負なのだと思います。 途中ハウってたりもするので、録音後の修正もほとんどしていないでしょう。 本来当たり前のことですが、今ではこういった潔いライヴはほとんどないので、おかしな表現ですが新鮮です。
僕のマスタリングによって、奥行きがより感じられ、この時代の空気感に酔いしれることができると思います。

続く2枚は一度自然消滅したグループの復活作、まずは81年リリースの8th.「Camera Camera」(写真左下)、そして83年の9th.「Time Line」(写真右下) です。 アートワークからしてすでにプログレではないのだな、と感じてしまいますが、予想通りちょっと残念なサウンドです。 壮大な作風は完全に消えてしまい、コンパクトなサウンドはもはや同じバンドとは思えません。 ファンでなくても、せめて違うバンド名でリリースしてほしかった、と感じてしまいます。
技術や機材の進歩に相反する、こういった残念な進化は、プログレ・バンドの宿命でもありますが、ルネッサンスもまたそんな道を歩み、この「Time Line」がグループ最後のアルバムになってしまうのでした。 そして多くのプログレ・バンド同様、2000年前後に再結成などもしてしまいます。

しかしこの中の最初の3枚はプログレというジャンル抜きで、ブリティッシュ・ロックの名盤中の名盤です。 今までも何度か再発されていますが、今回の僕のマスタリングとエアー・メイルさんの紙ジャケ再現度によって、決定盤になったと思います。

ぜひ聴いてください。