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このページでは音楽制作エンジニア、葛巻善郎日々の出来事をつづります。

新しいモニター・スピーカー KEF R300

僕の本拠地、ここ Studio CMpunch の機材は今年の春から夏にかけて大幅な機材の入れ替えを敢行し、半分以上が新しいものに替わりました。
なぜこんなにも大幅に入れ替えたのかというと、昨年から関わっている西新宿の Studio Aliena の機材選びをしている時にいろいろと新しい機材に触れたということもありますが、もう一つの大きな理由としては、今まで使っていた主要な機材を作っているあるメーカーさんの機材を使わないぞ、という決定をしたからです。

なぜそれまで愛用していた機材を使わないという決断をしたか、詳しくはここには書けませんが、もちろん良い話ではありません。 ちょうど今から一年ほど前に起きたあることがきっかけとなり、悩みに悩んだ結果この決断を下しました。
D/A コンバータ、モニター・スピーカー、そして電源ケーブルやライン・ケーブル、Pro Tools のシステムとマスタリング時に使うハードウェア以外のほぼ全てと言っても良いくらいの依存度だったので、これらに替わる新しい機材のリサーチとセレクトは、それはそれはたいへんでした。

Studio Aliena の機材選びを始めたのが昨年の晩夏、そして秋口に方針を変え一からやり直すと共に Studio CMpunch の機材も入れ替えることにし、約半年間いろいろな機材を試しました。
新しい機材を選ぶ時というのは楽しいものですが、さすがに今回は楽しいだけではなく、大いに悩みました。
しかし物事は結局は収まるところに収まるものです。
昨年末にタイミング良く Pro Tools HDX システムがリリースされたこともあり、一部の機材はすんなりと決まりました。 どうやら新しい HDX カードにすればそれまで使っていた Accel カード用の拡張シャーシがいらなくなるということもわかり、Studio CMpunch の機材は数自体を減らし省スペース化をも同時に図ることにしました。

16枚目

9月

ELECTRICITIZ 「Orange Metallique」

ロンドン五輪を観て

8月

カンタベリー経由、英国ジャズ・ロックの最高峰

DAD AX24

7月

エリアーナ始動

スタジオ・エリアーナ

6月

ピアノ録り その2

5月

ピアノ録り その1

4月

モンマルトル、愛の夜。

ケーブル類は一度某大手メーカーに決めかけていたものを土壇場で再考し、エリアーナ共々全て WAGNUS のケーブルを採用、新しい良い出会いもありました。

最後までなかなか決まらなかったのがモニター・スピーカーです。 スタジオ用のモニターは現在パワードが主流となっているので、最初はパワードを中心に10機種以上も試聴したもののどれもピンと来ず、次にパワードという概念を外し、最終的にはスタジオ用という概念すら外した時に出会ったのが KEF のスピーカーでした。
KEF は英国が本拠で、スタジオ用ではなくコンシューマー・オーディオのメーカーです。 コンシューマー・オーディオのメーカーを候補に入れるとそれこそ星の数ほどのスピーカーがあるのですが、性能はもちろんルックスや色、そして値段を考えた時に KEF だけがすんなりと残り、そしてまたまたタイミングの良いことに昨年末に KEF もモデルを一新、新しいRシリーズがリリースされたのでエリアーナのオーナー岡田くんと試聴に行き、「もうこれしかないね」と二人でうなずき R300 に決定したのでした。

この R300 は KEF 最新の技術が詰められた自信作のようで、確かに今まで聴いたことのないサウンドを出してくれます。 ヴォーカルの存在感と共に一番の売りとも言えるのが充実した低域で、バスドラムやウッド・ベースのリアルさは特筆に値します。
一足先に紹介したオーディオ・インターフェース DAD AX24、そして新しい Pro Tools HDX システムや WAGNUS のケーブルとの相乗効果もあり、奥行き感・定位感・そして中低域の充実感は実に素晴らしく、ミックス・マスタリング双方でまったく新次元のサウンドを作り出せるようになりました。

実は機材の入れ替えはまだ完了してなく、電源ケーブルと電源タップ、そしてライン・ケーブルの一部がまだ新しいものになっていません。 さらに、スピーカー周りではスピーカー・スタンドがまだで、なんとこれはラックを作ってもらった無垢工房の野出正和さんに製作を依頼、世界に一つしかない僕だけのスピーカー・スタンドを作ってもらっているところなのです。

機材は僕らにとっては楽器のようなものですし、毎日顔を合わせるわけなので、性能はもちろん見た目も含めて長いこと愛することができるものが理想です。
WAGNUS のケーブルや、まだ紹介していない新しい機材などもあるので、それらもいずれ紹介したいと思います。